家と空気のお話

社会問題となったシックハウス症候群はなぜ生まれ、住宅はどう進化したのでしょうか?

1970年代以前

昔の日本家屋は寒かった

昔から続く在来工法の日本の住宅は、すきま風が通り抜け、冬寒い住宅でした。
でも良かった点もあるんです。
風通しが良かったため、木が傷まず、家が長持ちしました。
世界最古の木造建築である法隆寺などは、1300年以上も建ち続けているそうですよ。

1970年代

そして、省エネの時代へ

ところが、オイルショックで時代が大きく変わります。
1970年代の原油の大幅値上げの影響で、「狂乱物価」といわれるインフレが日本を襲いました。
そのため、世の中は省エネを非常に重視するようになったのです。
住宅では、冷暖房の効率が良い高気密高断熱の住宅が一気に普及したのでした。

1970年~2000年頃

突然みんなが体調不良に

しかし、高気密高断熱住宅は良いことばかりではありませんでした。室内の空気汚染が原因で健康被害を起こす「シックハウス症候群」が発生し、社会問題となりました。
実は建材や家電製品からは元々化学物質が発散しているのです。そのため、住宅の気密性が高くなると、健康被害を受ける人が続出したのでした。

2003年

国によるシックハウス症候群対策

国は「シックハウス症候群」対策として、24時間換気を義務化しました。
住宅のしくみを根本的に見直すのではなく、24時間ゆっくり換気する装置を付けることが対策の柱でした。
しかし、体質的に過敏な人には、この対策は十分なものではありませんでした。

現在

付け焼き刃でない解決策を求めて

一方、国の対策に疑問を感じ、「24時間換気なしでも空気がきれいな家をつくることが本質的な解決策ではないか」と考える人たちもいました。
そしてついにウッドビルド社創業者の寺島今朝成氏が、ホルムアルデヒドの数値が極めて低いことが実証されている(厚生労働省の指針値である0.08ppmを大きく下回る)、「WB HOUSE」を完成させます。
その後国土交通省の審査を経て、平成18年8月11日、24時間換気なしできれいな空気であることを国が唯一認めた大臣認定証書(認定番号RLFC-0001)が交付されたのでした。
令和5年(2023年)7月現在、24時間換気なしできれいな空気であることを国が認めた住宅は、「WB HOUSE」のみです。